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上杉謙信の死因「大虫」と奴奈川姫の「大虫神社」

 【06//2014】

かつては温江字小森谷の小虫神社とともに大江山中腹の池ケ成(いけがなる)という地に鎮座し、「虫宮(むしのみや)」と呼ばれていた。往昔大己貴命が沼河姫と当地に居住している時、槌鬼(つちおに)という悪鬼が現れ、その毒気に当てられた姫が病気に罹り大己貴命が嘆いていると、小虫神社の祭神である少名彦命が八色の息を吐きかけて槌鬼を追い出して姫は回復したが、今度はその息のために人や動植物が虫病に苦しむようになったため、少名彦命は「小虫」と名乗ってそれぞれの体内から害源である悪虫を除くことを、大己貴命は「大虫」を名乗って体外から病を治すことを誓い合い、鏡を2面作ってそれぞれ分け持ったことから、「大虫」「小虫」の神として崇められるようになったという。(ウィキより引用)


これは、前にこのブログで紹介した
京都府与謝郡に鎮座する「大虫神社」の創建伝承なのですが、

このことについて、一つ追記しておきたいことがありましたので、
久しぶりにブログを更新させていただくことにしました。(^-^)



大虫神社の伝承を見る限り、ここでいう「槌鬼」とは「土蜘蛛」のことと思われ、
奴奈川姫の時代には既に大江山には鬼とよばれる族が住みつき、
姫もこの毒気で病気になってしまったという興味深い伝承です。

土蜘蛛とは、大和朝廷に恭順しない者を総称してそう呼んだとされ、
記紀や風土記にも多数記載があるところを見ると、全国どこにでもいたようです。

古事記には、崇神天皇の御世に「大毘古命を高志に遣わし、建沼河別命を東の方十二道に遣わした。
(中略)また、日子坐王を旦波国に遣わして、玖賀耳之御笠を殺さしめたまひき。」
とありますが、残欠した丹後國風土記には「崇神天皇の弟の日子坐王が、陸耳御笠という土蜘蛛を退治した」
というくだりがあることから、玖賀耳之御笠とは土蜘蛛で、
伝承の「槌鬼」とも何か関連がありそうなのも興味深いです。



越後国風土記逸文にも「八束脛」として土蜘蛛の記載がありますが、
蝦夷や手足の長い外国人をも彷彿とさせます。


私が大虫神社を訪れたとき、峠を越えて、さらに福知山方面へ抜けようと車を走らせると、
峠の途中に「酒呑童子」と書かれた看板が立っていました。

この「酒呑童子」という妖怪も、また「土蜘蛛」のことであり、
長徳元年(995年)には、源頼光と、嵯峨源氏の渡辺綱を筆頭とする頼光四天王
(渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、卜部季武)により討伐隊が結成され、
討伐されたといいます。

それが、能の演目である「土蜘蛛」にもなっているのが、面白いところです。

また重文として残る土蜘蛛草紙絵巻は、模写を試みたいと思う程、
個人的に自分の審美眼に合致した良い絵巻なのですよ♪(右リンク有♪→)

そんな大江山の鬼伝説が、全国に存在する鬼伝説の中で
とりわけ有名なのも、大国主命と奴奈川姫の時代まで遡れる歴史の深さ所以であるとも思えます!

ちなみにこしひかりの住む町では、夏に行われる予定の薪能の演目に
「土蜘蛛」があるので、今から楽しみにしているところです♪
土蜘蛛という演目が、越後に来るのも、何かの縁かもしれませんね。


久比岐能チラシ
poster_img_1404.jpg
http://www.jocci.jp/kubikinoh/
久比岐能実行委員会(上越市藤巻8-64)HPより抜粋


さて、土蜘蛛の存在は明らかですが、では、大虫神社伝承にある
「槌鬼の毒気」、「虫」とは、今の病気でいう何なのでしょうか?

しかも奴奈川姫は、その病気を少彦名命に追い出してもらい、回復しています。
そういった虫気、虫といえば・・・単純に回虫などの腹に寄生する虫のことではではないか?(笑)

そう思い、和名抄の巻第二疾病部第四で「虫」のつく病気を調べてみると、
一つだけありました。

「蚘虫」ゆうちゅうと読むのでしょうか、調べると、やはり回虫のことでした。
「人腹中長虫」と書かれていたので、わかりやすいです。


寄生虫なんぞ、今の時代では縁遠い病気と思いきや、
回虫による腸閉塞で亡くなる人は、世界で年間6万人もいるのだそうです。

しかも、近世まで日本でも発症率が40パーセントという
罹りやすい病気でもあったようです。

実は、私がこれにこだわるのにはわけがあるのです。

それといいますのも、奴奈川姫と同じ越後國頸城郡出身、
戦国武将の上杉謙信の死因も、また「大虫」によるものであったといいます。

そして、この大虫という病気を婦人病とし、
上杉謙信を女に仕立て上げたのが、歴史小説家の八切止夫という人物でした。



以下ウィキより

謙信の死因は「大虫」である。松平忠明が記したとされる『当代記』の天正六年条には『此の春越後景虎卒去(年四十九)大虫と云々』と記載されている。八切は「大虫」について以下のように解説している。

三省堂明解古語辞典によると「大虫」は味噌の女言葉である。味噌は赤味噌を連想させ、月経の隠語として用いられた(逆に、月経の赤色のイメージから、赤味噌のことを隠語で「大虫」とも言う。「式亭三馬の浮世床にも『おめえんちの雑煮は大虫かい』と聞く表現がある」と八切は記している[4])。
ただし、八切は別の著書で「大虫」が月経そのものを指す言葉と解釈している[4]。


・・・というのです。
これについては、越後国頸城郡の人間の一人として、少し反論があります。

謙信女性説を支持する人は、これを鵜呑みにしてしまっているのでしょうか。
「謙信女性説」が独り歩きしているという奇妙な風潮が、
TVなどの影響により、最近より拡大しつつあるのが残念です。


まず、松平忠明が記したとされる『当代記』自体が、
信憑性に欠くものであることを誰も指摘していないのです。

『当代記』は、おそらく松平忠明が書いたものではないです。
というのも『当代記』という日記は、松平忠明が生まれる六年前から始まっているのですから。

また、八切氏は、越前国丹生郡の大虫神社の存在についても例を上げて、婦人病に間違いないと断言しています。

大虫神社は越前国丹生郡と丹波國と二社あり、
どちらも式内社ではありますが、神社伝承を見る限り、
越前の大虫神社は丹波國からの勧請ではないかと個人的には考えています。

そうならば、大虫神社の「大虫」とは、
大国主命の「大」をとって「大虫」としたと考えるのが自然なので、
婦人病とは全く関係がないと考えられます。

ちなみに謙信は、奴奈川姫を祀る松苧山に帰依していますし
松苧山は明治まで女人禁制の山でしたから・・・

歴史小説家の八切止夫さんの説は、つっこみどころ満載ですが、
(といいますか、その前に月経で死ぬのかが一番の突っ込みどころかもしれませんが。(^^;)

謙信が女性に見間違うほど美しかったというならば、小説としては面白いですし、
奴奈川姫や神功皇后をも彷彿とさせるので、さほど悪い気はしません。(笑)どっちやねん

謙信の死因は、一般的に急に亡くなったことや酒飲みであった、
不摂生だったということなどから脳卒中ではなかろうかと言われていますが、
もし大虫という死因にこだわるのならば、その名の通り単純に「回虫による腸閉塞」
としてもいいんじゃないでしょうか。(こしひかり説、笑)

それにしても・・・

同じ頸城郡出身ということで、奴奈川姫と、姫を信仰する上杉謙信は、
調べていると頻繁にリンクするのですが、
まさか丹後國の神社伝承の「大虫」とリンクするとは、

どの時代でも、立派に活躍すると世間が狭くなるものですね。










Category: ◆出雲神話縁の地

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Comments

ひとこと…

ほぉ~っ!

Posted at 20:45:55 2014/06/06 by 赤城おろし

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Re: ひとこと…

どぉですか、寄生虫ダイエット(笑)

しかし、、

腹の中に蛇のような生物を宿すのって、縄文人のアニミズム信仰的には

、、、ありだったかも?

Posted at 22:23:55 2014/06/06 by こしひかりのあとりえ

Comments

過ぎたるは及ばざるが如し

”サナダムシ・ダイエット”なんてものもあるそうですが、最近の子ども達に花粉症やらアトピー性皮膚炎
等が多いのは寄生虫を持たなくなったせいだという研究報告もあります。
確かに寄生虫がいることは良くないことなんでしょうが、持つ・居ることの副作用:一種の毒素が出てるこ
が善い方向(=免疫性の向上)に向くことも多いそうです。
小さい時から潔癖とも言える手洗いも逆効果。ちょっとくらい具合い悪くならないと免疫性を得ることができません。インフルエンザに掛かり易くなったのは このせいだと言われています。

何にしても「~過ぎ」は良くありません。ほどほどに。

Posted at 11:11:16 2014/06/07 by 赤城おろし

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Posted at 16:08:12 2014/06/10 by

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非公開さま

なにかあるなぁと思っていました。

ありがとうございます、お邪魔します(^^♪
見知らぬ名前の足跡がつきますが、ご勘弁を・・・

Posted at 09:50:18 2014/06/11 by こしひかりのあとりえ

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Posted at 15:29:59 2014/06/19 by

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非公開様

ありがとうごじます。恐縮です( *´艸`)

Posted at 11:53:30 2014/06/20 by こしひかりのあとりえ

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